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歌ゆゑに命を失ふ事~初恋という題を給はりて~

🌸2年生の古典探究で、『沙石集』の一節を学習しました

薫風香る5月。高校総体が始まりそうな頃…
2学年の古典探究では『沙石集』について学習しました。
「歌ゆゑに命を失ふ事」 さて、どういう内容なのでしょう?
あまり聞いたことのない内容ですが…

🌸『沙石集』とは?「歌ゆゑに命を失ふ事」とは?

『沙石集』とは、鎌倉時代中期、仮名まじり文で書かれた仏教説話集で、無住道暁が編纂したものです。

この「歌ゆゑに命を失ふ事」は、平兼盛と壬生忠見が歌合せで「初恋(恋の始まり)」という題を村上天皇から賜り、忠見は兼盛はきっと自分のような名歌は作れまいと強く思い込みます。

しかし結局天皇は、兼盛の歌を評価します。失意の念に駆られた忠見は食べることもせず塞ぎ込み、ついには病を得て亡くなってしまいます。
つまり、「執心」は良いものではないけれど、道に熱心に打ち込む姿は心が動かされれるものだ。という教えです。

今風に言えば、
「あんまり度が過ぎちゃうのもダメだけど、ひたすら打ち込んでるのはかっこいいよね。」ということでしょうか。

馬酔木(アセビ)の花も眩しかった春

🌸2年生「初恋(恋の始まり)という題を給わりて」歌をよむべきとぞ思いける

著名な和歌にまつわる話から、説話として語り伝えようとした歌人のありようについて考えるのがこの授業のねらいではありますが、遠高2年生にも、兼盛や忠見のように、恋の歌を詠んでもらいました。
「初恋(恋の始まり)という題を給わりて」歌をよむべきとぞ思いける
生徒の皆さんの、恋に対する素直な思いが伝わる素晴らしい作品の一部をご紹介したいと思います。

「わが恋を 花弁摘んで 占えば キライと告げる アネモネの花」

「席替えで 少しよくばる 君の横 恋の鼓動よ 聞いてくれるな」

「春の日に 君と出逢って 胸騒ぎ 花咲く世界  揺れる感情」

「恋知らぬ をとこ共にも 春来る それが青春 えもいえぬエモ」

「初LINE 嫌われないよう 再確認 しかし怖くて 消してしまう」

「あの日から きみを見ている 俺がいる バレてもいいから あなたが好きだ」

空の蒼が痛いほど澄んでいる 今年の桜は早い開花



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