遠野の博物館へようこそ
遠野市立博物館は、小さいですが、なかなかどうして、とても楽しい博物館です。
🔶鍋倉山・物見山
遠野駅を下車して、駅正面を山に向かって歩いて行くと、そこに鍋倉城址があります。
この鍋倉城址の麓に遠野市立博物館があります。駅から約600m、駅前通り(県道121号)を徒歩で約7分間です。
なお、この山とは、鍋倉城址がある鍋倉山(標高344m)です。その背後に物見山(標高871m)が聳えています。
ちなみに、物見山は遠野市、奥州市江刺区、住田町にまたがる南北20km、東西11kmの種山ヶ原の中心地にあります。
種山ヶ原は、宮澤賢治がこよなく愛した高原として知られています。彼は種山ヶ原の風景や気象を題材に、童話「風の又三郎」「種山ヶ原」、劇「種山ヶ原の夜」を著しています。
🔶遠野市立博物館
遠野市立博物館は、鍋倉城址の麓にあります。
遠野市立博物館は、昭和55(1980)年に開館した、日本で初めての民俗専門の博物館で、現在の建物は、平成22(2010)年に全面リニューアルされたものです。
建物の3階・4階が博物館で、その建物の1・2階が遠野市立図書館になっています。特に図書館には遠高生も通っています。
博物館は3つの展示室から構成されています。
☆第1展示室「遠野物語の世界」
受付からの順路として、先ず第1展示室に入ります。第1展示室のテーマは「遠野物語の世界」です。
中心にある地形ジオラマ・スクリーンには遠野の創世神話が浮かび上がります。これが楽しい。
第1展示室の2階には、大画面のシアターがあります。シアターでは、『遠野物語』や民話を題材にした映像、アニメーション「水木しげるの遠野物語」などを観ることができます。
遠野南部家に伝えられてきた甲冑です。現存する兜・面頬・胴・籠手は制作当初のままで実戦を主体に造られたという特色があります。
この甲冑の兜は、室町時代から江戸時代にかけて流行した、いわゆる「変わり兜」で、前立がウサギになっています。現代人の感覚だと、ウサギは可愛い小動物というイメージですが、動きが俊敏で繁殖力が強いため、戦国時代には縁起の良い動物として武将達に好まれました。ですから、他の武将の兜にもウサギをデザインに取り入れたものがあり、有名なのは上杉謙信の兜(銀箔押張懸兎耳形兜)です。
☆第2展示室「人・風土・文化」
第2展示室のテーマは「人・風土・文化」で、遠野の「町」「里」「山」という暮らしの領域が紹介されています。
☆第3展示室
第3展示室は企画展示室になっています。